30mBANDのモービルホイップの修理を行いました。
写真左は修理後に測定したアンテナのインダクタンスです。写真右一番上のワイヤが今回修理に用いたφ1のUEWで、その下のワイヤが単線撚り線でこのアンテナに使われていたものです。写真一番下が修理後の状態です。
壊れた個所と考えられる原因
モービルホイップ内側のMコネクタとワイヤの段田付けされた付け根の断線。モービルホイップの取り付けと取り外しを行う際に、コイル部を時々握って回したことで内部のワイヤーにテンションが掛かり屈曲を繰り返し断線につながったと思われます。
壊れていると判断した理由
アンテナアナライザでモービルホイップのLの値が全くなく、40mのモービルホイップと比較すると明らかに異なったため。Mコネコネクタ部とアンテナのコイルとの導通はテスターで導通を確認しましたがありませんでしたので迷わずもコイル部の被覆となっている熱収縮チューブを切り裂きました(^^;;
アンテナアナライザで計測したインダクタンスは0.5μH。空芯コイル外径φ12×12L×8tとほぼ同じ値です。先端のコイルがどう作用されるかわかりません。先端のコイルがどう作用したのかはわかりませんが(^^;
代替材料と修理方法
このアンテナのコイル部には単線の撚り線でテフロン被覆のものが使われていましたが、手持ちの材料都合でφ1のUEWを使いました。半田付け部がモービルホイップと干渉し、グラスファイバのパイプが傷つかないか心配です。また、耐屈曲性の無いUEWを使ったことで再び断線しやすくなったかもしれませんね。修理方法はφ1のUEWをMコネクタ(外側で写真右側)から遠し、写真左側のグラスファイバの穴に通します。通しやすくなるように先端を2~3mm曲げて通しました。グラスファイバに通ったら半田付けです。Mコネクタ側からワイヤがはみ出さないように半田付けしてからグラスファイバ側を半田付けするといいでしょう。
その他
余談ですが、数日前に6mの伸縮ロッドアンテナを10mで使えないかと「水橋―スミスチャート」を使い設計しておりました。長さの不足分の容量性を打ち消す直列のインダクタンスとリアクタンスを打ち消すGNDに接続されたインダクタンスが必要でした。今回目にしたアンテナに近いのでは?と感じました。インダクタしか使われていないアンテナの場合はテスターで導通確認しても判断ができますね。キャパシタが使われている場合にはテスターを使った方法では判断できないでしょう。何はともあれ修理が出来てよかったです(^^;。参考にならないと思いますがこの修理報告が皆さんが困ったときのお役に立てば幸いです。尚、私の勝手な解釈や思い込みもありますのでご注意くださいね(^^;;